相続放棄の流れと必要書類に関するQ&A

文責:所長 弁護士 寺井 渉

最終更新日:2020年06月15日

相続放棄の流れと必要書類に関するQ&A

Q相続放棄はどのような場合にするべきでしょうか?

A

 相続放棄は,プラスの財産(現預金,有価証券,不動産等)よりもマイナスの財産(借金等)の方が明らかに多く,相続人が相続することによって,不利益を被る場合に検討されます。
 また,相続の紛争に関わりたくない,といった理由で相続放棄をする場合もあります。

Q相続放棄にはどのような書類が必要ですか?

A

 相続放棄する際に,共通して提出する書類は,相続放棄の申述書,被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票,放棄する相続人の戸籍謄本です。
 また,自己が相続人であることを示す書類が必要となってくるので,放棄する相続人が被相続人の配偶者である場合には,被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本が必要となります。
 相続放棄する相続人が,被相続人の子又はその代襲者(孫,ひ孫等)の場合には,①被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,②相続人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合には,本来の相続人(被相続人の子)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本が必要となります。
 相続人が被相続人の父母,祖父母等(直系尊属)の場合には,①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,②被相続人の子及びその代襲者の中で死亡している者がいる場合は,その子及び代襲者の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,③相続人が被相続人の祖父母の場合は,相続人の父母の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,が必要となります。
 相続人が,被相続人の兄弟姉妹や甥姪の場合,①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,②被相続人の子及び代襲者の中で死亡している者がいる場合は,その子及び代襲者の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,③被相続人の父母及び祖父母の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,④相続人が,甥姪である場合は,本来の相続人である兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本,が必要となります。
 上記のように必要書類を記載すると難しそうに思えますが,相続放棄したい人が相続人であることを示す書類が必要となってくるということです。

Q相続放棄は,誰がどこに申し立てることができますか?

A

 相続放棄の申し立てを行う人は,相続人本人です。

 相続人が未成年である場合は,法定代理人が原則として申し立てることになります。
 必要書類が集まれば,被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄を申し立てます。

Q相続放棄申立後はどのような流れになりますか?

A

 相続放棄を申し立てると裁判所から相続放棄に関する照会書が送付されてきますので,必要事項を記入し家庭裁判所に返送する必要があります。
 そして,相続放棄が許可されれば,家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送付されます。

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